イタリア（概要、北部）

ヨーロッパ大陸南部にあり、アルプス山脈南部から地中海に突き出したイタリア半島と、シチリア島、サルディーニャ島などの島々からなる国。

温暖な気候で、ブドウ栽培に適した環境で、古代ギリシャ人が「エストリア・テルス」（ワインの大地）と讃えた。

生産量

5,043万hl

歴史

紀元前2000年以上前からワイン造りを行っていたが、本格的なブドウ栽培を伝えたのは、ギリシャ人とエトルリア人である。

1716年、トスカーナ大公コジモ3世が、Chianti（キアンティ）、Pomino（ポミーノ）、Carmignano（カルミニャーノ）、Val d’Arno di Sopra（ヴァルダルノ・ディ・ソプラ）の生産地の線引きを行い、原産地呼称制度の最初の例となった。

1716年コジモ3世の原産地呼称制度の最初の例は重要

気候風土

北緯35度～47度。

首都ローマが釧路と同緯度の42度。

イタリア半島部分は、地中海性気候。

イタリア半島の北はアルプス山脈、真ん中はアペニン山脈。東はアドリア海、西はティレニア海。

ブドウ品種

固有品種が多い。

黒ブドウ・・サンジョベーゼ、モンテプルチャーノ

白ブドウ・・カタラット・コムーネ、トレッビアーノ・トスカーナ

ワイン法と品質分類

1963年、最初の原産地呼称法が公布

ワインの格付け

保護原産地呼称ワイン・・DOP（DOCG、DOC）

保護地理表示ワイン・・IGP（IGT）

ヴィーノ・・Vino

特殊なワイン、その他

グラッパ・・ブドウの搾りかすを固形蒸留したイタリア独自の蒸留酒。

北部イタリア

ヴァッレ・ダオスタ州

北はスイス、西はフランス国境。南と東はピエモンテ州に接する。

イタリアで一番小さな州。

DOCGワインはない。

ピエモンテ州

ピエモンテは、「山の麓」の意味。

北は、ヴァッレ・ダオスタ州とスイス、東はロンバルディア州、エミリア・ロマーニャ州、南はリグーリア州、西はフランスと接する。

DOCGワイン	ブドウ品種	ポイント
Barbaresco バルバレスコ	ネッビオーロ
Barolo バローロ	ネッビオーロ	「ワインの王であり、王のワインである」
Gattinara ガッティナーラ	スパンナ（ネッビオーロ）90%以上
Ghemme ゲンメ	スパンナ（ネッビオーロ）85%以上
Roero ロエーロ	赤：ネッビオーロ95%以上 白、スプマンテ：アルネイス95%以上	スプマンテ
Nizza ニッツァ	バルベーラ100%
Barbera d’Asti バルベーラ・ダスティ	バルベーラ主体
Baebera del Monderrato Superiore バルベーラ・デル・モンフェッラート・スペリオーレ	バルベーラ主体
Dolcetti di Diano d’Alba/Diano d’Alba ドルチェット・ディ・ディアーノ・ダルバ／ディアーノ・ダルバ	ドルチェット
Dogliani ドルアーニ	ドルチェット
Dolcetto di Ovada Superiore ドルチェット・ディ・オヴァーダ・スペリオーレ	ドルチェット
Asti アスティ	モスカート・ビアンコ	スプマンテ
Alta Langa アルタ・ランガ	ピノ・ネーロ、シャルドネ主体
Brachetto d’Acqui/Acqui ブラケット・ダックィ／アックィ	ブラケット
Erbaluce di Caluso / Caluso エルバルーチェ・ディ・カルーソ／カルーソ	エルバルーチェ
Gavi/Cortese di Gavi カヴィ／コルテーゼ・ディ・カヴィ	コルテーゼ
Ruche di Catagnole Monferrato ルケ・ディ・カスタニューレ・モンフェッラート	ルケ主体
Terre Alfieri テッレ・アルフィエーリ	白：アルネイス 赤：ネッビオーロ	2020年DOCG昇格

ネッビオーロ、スパンナの5つのDOCGは重要。

ニッツァは、バルベーラの名前が入っていないので気にしておく。

リグーリア州

西はフランス、北はピエモンテ州、エミリア・ロマーニャ州、東はトスカーナ州に接している。

州都はジェノヴァ。

DOCGワインはない。

ロンバルディア州

北はスイス、西はピエモンテ州、東はトレンティーノ・アルト・アディジェ州、ヴェネト州、南はエミリア・ロマーニャ州に接している。

商業の中心地はミラノ。

DOCGワイン	ブドウ品種	ポイント
Franciacorta フランチャコルタ	シャルドネ、ピノ・ネーロ、ピノ・ビアンコ	スプマンテ
Storzato della Veltellina / Sturzat di Valtellina スフォルツァート・デッラ・ヴァルテッリーナ／スフルサット・ディ・ヴァルテッリーナ	キアヴェンナスカ（ネッビオーロ主体）
Valtellina Superiore ヴァルテッリーナ・スペリオーレ	キアヴェンナスカ（ネッビオーロ主体）
Moscato di Scanzo / Scanzo モスカート・ディ・スカンツォ／スカンツォ	モスカート・ディ・スカンツォ
Oltrepo Pavese Metodo Classico オルトレポ・パヴェーゼ・メトド・クラッシコ	ピノ・ネーロ主体

ロンバルディアで「フランチャコルタ」はスプマンテで重要。ネッビオーロのシノニム「キアヴェンナスカ」は重要で、ヴァルテッリーナの組み合わせ。

スプマンテは、スパークリングワインのこと。微発泡性ワインは、フリッツァンテ。」

トレンティーノ・アルト・アディジェ州

最北の州。

北はオーストリア、スイス、西はロンバルディア州、東はヴェネト州。

白ワインの産地。

DOCGワインはない。

ヴェネト州

州都はヴェネツィア。

東はフリウリｰヴェネツィア・ジューリア州、北はオーストリア、トレンティーノ-アルト・アディジェ州、西はロンバルディア州、南はエミリア・ロマーニャ州と接している。南にはアドリア海が広がっている。

イタリアの州別の生産量でトップとなることが多い。

DOCGワイン	ブドウ品種	ポイント
Recioto di Gambellara レチョート・ディ・ガンベッラーラ	ガルガネガ	白甘口パッシート／スプマンテ
Recioto di Soave レチョート・ディ・ソアーヴェ	ガルガネガ	白甘口パッシート／スプマンテ
Soave Superiore ソアーヴェ・スペリオーレ	ガルガネガ70%以上	白
Lison リソン	タイ主体
Colli Asolani Prosecco / Asolo Prosecco コッリ・アゾラーニ・プロセッコ／アゾーロ・プロセッコ	ゲレーラ主体
Conegliano Valdobbiadene-Prosecco / Conegliano-Prosecco / Valdobbiadene-Prosecco コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ／コネリアーノ・プロセッコ／ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ	ゲレーラ主体
Amarone della Valpolicella アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ	コルヴィーナ・ヴェロネーゼ主体
Bardolino Superiore バルドリーノ・スペリオーレ	コルヴィーナ・ヴェロネーゼ主体
Recioto della Valpolicella レチョート・ヴァルポリチェッラ	コルヴィーナ・ヴェロネーゼ主体
Bagnoli Friularo / Friularo Bagnoli バニョーリ・フリウラーロ／フリウラーノ・バニョーリ	フリウラーロ90%以上
Colli di Conegniano コッリ・ディ・コネリアーノ	複数
Colli Euganei Fior d’Arancio / Fior d’Arancio Colli Euganei コッリ・エウガネイ・フィオル・ダランチョ／フィオル・ダランチョ・コッリ・エウガネイ	モスカート・ジャッラ主体
Mentello Rosso / Montello モンテッロ・ロッソ／モンテッロ	複数
Piave Malanotte / Malanotte del Piave ピアーヴェ・マラノッテ／マラノッテ・デル・ピアーヴェ	ラボーソ・ピアーヴェ主体

プロセッコは、ヴェネト州で主にゲレーラで造られるスプマンテ（スパークリングワイン）のこと。

パシートは、陰干しブドウで糖度を高めたワイン。 通常は甘口となる。 レチョートは、ヴェネト州での呼び方。

フリウリｰヴェネツィア・ジューリア州

イタリア北東部。

北はオーストリア、東はスロヴェニア、西はヴェネト州、南はアドリア海。

DOCGワイン	ブドウ品種	ポイント
Colli Orientali del Friuli Picolit コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ・ピコリット	ピコリット
Ramandolo ラマンドロ	ヴェルドゥッツォ・フリウラーノ
Rosazzo	フリウラーノ

エミリア・ロマーニャ州

北はヴェネト州、ロンバルディア州、西はピエモンテ州、リグーリア州、南はトスカーナ州、マルケ州、東にアドリア海が広がっている。州都はボローニャ。

DOCGワイン	ブドウ品種	ポイント
Romagna Albana ロマーニャ・アルバーナ	アルバーナ
Colli Bolognesi Classico Pignoletto コッリ・ボロニャージ・クラッシコ・ピニョレット	ピニョレット