乳を原料として乳酸菌や凝乳酵素などによって凝固させ、ホエイ(乳清)の一部を取り除いたもの、またはそれらを乳酸菌やカビ等の微生物で発酵・熟成させたもの。
※ナチュラルチーズとプロセスチーズ
日本ではチーズとはナチュラルチーズとプロセスチーズを言う。
なお、プロセスチーズは、ナチュラルチーズを粉砕して、加熱溶融し、乳化したものをいう。
歴史
チーズはメソポタミア文明の地で誕生したと考えられている。
ナチュラルチーズの分類
フレッシュタイプ
Fromage frais(フロマージュ・フレ)
ミルクを乳酸菌や凝乳酵素を使って固め、ホエイ(乳清)を排出しただけの熟成していないつくりたてのチーズ。
水分含有量が多い。
ソフトタイプ
Fromage a pate molle(フロマージュ・ア・パット・モール)
表面に白カビを覆った白カビタイプ、表面を洗って仕上げたウィッシュタイプ、山羊乳で造ったシェーブルなどがある。
白カビタイプ
Fromage a pate molle a croute fleurie(フロマージュ・ア・パット・モール・ア・クルート・フルーリー)
乳酸菌と凝乳酵素を組み合わせてミルクを凝固させ、生地を型に入れてホエイを排出する。そのあと加塩し、表面にペニシリウム・カンディダムという白カビ菌を噴霧し、熟成させる。
ウォッシュタイプ
Fromage a pate molle a croute lavee(フロマージュ・ア・パット・モール・ア・クルート・ラヴェ)
ミルクにリネンス菌を混ぜ、凝固させ、型に入れてホエイを排出する。加塩したあと、表面を塩水もしくはお酒で洗いながら熟成させたソフトチーズ。
シェーブルタイプ(山羊乳製チーズ)
Fromage de chevre(フロマージュ・ド・シェーヴル)
フランスでは、南仏とロワール川流域がシェーヴルの名産地として知られる。
青カビタイプ
Fromage a pate persillee(フロマージュ・ア・パット・ペルシエ)
ミルクもしくは型入れする前の生地の段階で青カビ菌を混ぜて、熟成中に内部に青カビを増殖させて仕上げるチーズ。
代表的な青カビ菌は、ペニシリウム・ロックフォルティ。
非加熱圧搾タイプ(セミハードタイプ)
Fromage a pate pressee non cuite(フロマージュ・ア・パット・プレッセ・ノン・キュイ)
圧搾タイプは、プレスして造ったチーズのこと。
非加熱というのは、攪拌していくときに温度を40度以上にせずに製造するチーズのこと。
加熱圧搾タイプ(ハードタイプ)
Fromage a pate pressee cuite(フロマージュ・ア・パット・プレッセ・キュイ)
攪拌していくときに、温度を40度以上にあげて水分の放出を促すと、より引き締まった生地となり、長期熟成に向くチーズとなる。
パスタフィラータタイプ
カードを発酵させた後、細かく裁断し、お湯をかけて練って引き延ばしてつくるチーズ。
チーズに関する法律
1952年、主要チーズ生産国8か国(フランス、イタリア、スイス、オーストリア、オランダ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー)が、ストレーザ協定を締結。
この協定により、原産地呼称統制制度(フランスはAOC)を強化した。
199年EUにおいてもAOCやDOCをベースにした品質保証システムを創設した。
品質認証マーク | 概要 |
---|---|
PDO | 原産地名称保護 |
PGI | 地理的表示保護 |
TSG | 伝統的特産品保証 |
フランス
AOC チーズ46種、バター5種、クリーム2種
地方 | チーズ名 | タイプ |
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ノルマンディー | Camembert de Normandie カマンベール・ド・ノルマンディー | 白カビ |
イル・ド・フランス | Brie de Meaux ブリ・ド・モー | 白カビ |
シャンパーニュ | Chaource シャウルス | 白カビ |
ブルゴーニュ | Epoisses エポワス | ウォッシュ |
フランシュ・コンテ地方 (ジュラ) | Comte コンテ | 加熱圧搾 |
オクシタニー地方 | Roquefort ロックフォール | 青カビ |
イタリア
州 | チーズ名 | タイプ |
---|---|---|
ロンバルディア | Gorgonzola ゴルゴンゾーラ | 青カビ |
エミリア・ロマーニャ | Permigiano Reggiano パルミジャーノ・レッジャーノ | 加熱圧搾 |
カンパーニア | Mozzarella di Bufala Campana モッツァレラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ | パスタフィラータ |