栽培面積は世界一位(EU圏内の栽培面積の30%を占める)、生産量は世界第三位。
生産量の半分は、カスティーリャ・ラ・マンチャ州で生産。白ワインと赤ワインはほぼ半分づつ。
生産量
4,400万hl(世界三位)
歴史
ブドウ栽培は、紀元前1100年ごろに伝わり、フェニキア人が大西洋岸のカディスに到達し、へレス・デ・ラ・フロンテラなどでワイン造りを行った。
気候風土
内陸部の大陸性気候、地中海沿岸の地中海性気候など、地方によって大きく異なる気候条件がある。
ブドウ品種
スペイン固有品種が多い。
黒ブドウ・・テンプラニーリョ、ガルナッチャ・ティンタ
白ブドウ・・アイレン、マカベオ(ビウラ)
種別 | 品種 |
黒ブドウ | テンプラニーリョ 別名 ティント・フィノ・・リベラ・デル・ドゥエロ 別名 ティント・デル・パイス・・リベル・デル・ドゥエロ 別名 センシベル・・ラ・マンチャ 別名 ウル・デ・リュブレ・・カタルーニャ 別名 ティンタ・デ・トロ・・トロ 別名 ティンタ・デ・マドリッド・・マドリッド |
ガルナッチャ・ティンタ(フランスではグルナッシュ) | |
白ブドウ | アイレン(主にカスティーリャ・ラ・マンチャ州で栽培) |
マカベオ 別名 ビウラ・・リオハ |
ワイン法と品質分類
1932年ワイン法制定。1933年発効。
フランスの原産地呼称制度が1935年で、それよりも早い。
DO、DOCa、特にDOCaは2つで認定年とあわせて重要。
原産地呼称保護 DOP | VC | 地域付き高級ワイン 2019年時点で7つ認定 |
DO | 2019年時点で68地域が認定 例外は、シェリーとカバ | |
DOCa | 特選原産地呼称ワイン 1991年にリオハ 2009年にプリオラート | |
VP | 単一ブドウ畑限定ワイン 2019年時点で19認定 | |
地理的表示保護 IGP | Vino de la Tierra | DOP以外で算出したブドウを使用したワイン 2019年時点で42認定 |
上記以外 | Vino |
DOCaは、1991年リオハ、2009年プリオラートの2つ
熟成規定
熟成規定により、クリアンサ、レセルバ、グラン・レセルバの3つがある。
規定 | 赤ワイン | 白ワイン |
Crianza | 24か月(2年) | 18か月(1年半) |
Reserva | 36か月(3年) | 24か月(2年) |
Gran Reserva | 60か月(5年) | 48か月(4年) |
Reservaが赤ワイン3年、白ワイン2年を覚えれば、それより短いCrianza、長いGran Reservaとなる。
産地
カバ(DO)
Cavaは、瓶内二次発酵製法により生産されるスパークリング・ワインのDO。
Cavaはカタルーニャ語で「洞窟」のこと。
複数の州にまたがっている特別なDOですが、95%はカタルーニャ州に集中している。
またカタルーニャ州でも、バルセロナ県に85%が集中している。
主要なブドウ品種は、マカベオ、チャレッロ、パレリャーダ。
品種 | 特徴 |
マカベオ | フルーティな味とさわやかさ |
パレリャーダ | 花のような香り |
チャレッロ | 酸味 |
Cavaの熟成規定は、Reserva15か月以上、Gran Reserva30か月以上。
北部地方
産地 | 特徴 |
リオハDOCa | 首都マドリード北北東250km ラ・リオハ州、バスク州、ナバーラ州にまたがる 1991年特選原産地呼称DOCa 赤ワイン88% 気候風土 北 カンタブリア山脈 南西デマンダ山脈 サブ・リージョン リオハ・アルタ(南西) リオハ・アラベサ(北) リオハ・オリエンタル(南東) |
ナバーラ | リオハの北東 フランス国境のピレネー山脈に近い |
ソモンターノ | 「山麓」の意味 ピレネー山脈の麓 |
大西洋地方
DO / DOCa | 特徴 |
リアス・バイシャス | ポルトガル国境を流れるミーニョ川沿い 96%はアルバリーニョ(白ブドウ) |
リベイラ・サクラ | メンシア(黒ブドウ) |
地中海地方
DO / DOCa | 特徴 |
プリオラート | カタルーニャ州 2009年特選原産地呼称DOCa |
ペネデス | カタルーニャ州 バルセロナの南 |
内陸部地方
DO / DOCa | 特徴 |
リベラ・デル・ドゥエロ | カスティーリャ・イ・レオン州 デボガ、ベガ・シシリアが有名 |
トロ | カスティーリャ・イ・レオン州 |
ラ・マンチャ | カスティーリャ・ラ・マンチャ州 単一の原産地呼称では世界最大 白ブドウ アイレン 黒ブドウ センシベル |
バルデペーニャス | カスティーリャ・ラ・マンチャ州 「石の谷」を意味する |
南部地方
DO / DOCa | 特徴 |
へレス・ケレス・シェリー | アンダルシア州 白ブドウから造られる酒精強化ワイン 紀元前1100年フェニキア人によりブドウ栽培とワイン造りが伝えられる |
諸島
バレアレス諸島、カナリア諸島
シェリー
紀元前1100年ごろに、現在のカディスで、フェニキア人からブドウ栽培とワイン造りが伝えられる。
大航海時代において、ワインを安定させるために、酒精強化が行われており、これが現在のシェリーとなった。
スペイン語がへレス、フランス語がケレス、英語がシェリー。
ブドウ品種
パロミノ、モスカテル、ペデロ・ヒメネス
95%がパロミノ、辛口。
モスカテルとペデロ・ヒメネスは甘口。
熟成
クリアデラとソレラ
一番下・・ソレラ
二段目・・第一クリアデラ
三段目・・第二クリアデラ
タイプ
フィノ/マンサニーリャ・・フロールのもとで熟成。辛口
アモンティリャド・・フロールのもとで熟成したのち、酸化熟成。
オロロソ・・酸化熟成。
※フロールとは、シェリーで使用される特別な酵母で、通常の酵母はアルコール発酵が終了すると役目を終えるが、その後も生き続ける(増殖し続ける)酵母で、ワインの表面を覆いつくす膜となり、これがフロールと呼ばれる。フロールは、アルコールや残っている糖を養分とするため、辛口になる。
特別なカテゴリ
熟成期間20年以上 VOS
30年以上 VORS